メッセージ

Message

2014年の年頭に思う事
私のウエルビーイングライフWell-Being Life
人生のギフト
サウンドヒーリング協会 理事長
株式会社ジョイファンデーション 代表取締役
喜田 圭一郎

私は小さなお子さんや赤ちゃんと会ったときに心の中で言う言葉があります。「よく来たね、ありがとう」です。私の講演会などにお母さんと一緒に来てくれた赤ちゃんは、私の話をよく聞いていると感じる時もあります。全部わかっていると感じます。そして最近お会いするお子さんが皆、立派で凛々しい感じがすることに驚きます。魂が古い方たちなのかも知れません。
人は生まれる前、雲の上で順番が来るまで待ち、準備ができたら両親を自分で選び、地上にやってくるそうです。自分が病気になるかどうかも決め、兄弟も自分たちで決めてやってくるそうです。これはサウンドヒーリングでご縁を頂いた、産婦人科の池川明先生の著書の内容です。池川先生は生まれる前の記憶をもった子供が大勢いる話を助産婦さん達から聞き1999年頃から、この胎内記憶に関する調査を科学的に始めています。欧米では1970年代からその分野の研究は始まっているようです。
現代の科学では記憶は脳細胞に蓄えられた情報と考えらえていますが、出生前心理学の第一人者デーヴィッド・チェンバレン博士は「記憶は成長して身に付くものではなく、初めから私たちとともにあるもの」と述べているそうです。
私は香川県高松市に生まれましたが、なぜ高松という場所に生まれたのだろう、なぜこの両親の元に生まれたのだろうとよく考えていました。洋裁を自宅で教えていた母はいつも忙しくしていたそうですが、私を身ごもってからは自分が好きだったレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」の絵を飾り、絵を見てはほほ笑みをつくり、心がやすらぐからと、好きなクラシックの音楽をよく聞いていたそうです。父はクラシックよりもジャズや陽気なラテン音楽が好きだったようで、小さいころSPレコード盤で音楽を両親が楽しんでいたのを覚えています。あふれるほどに音楽がある現代とは違い、音楽を聴く時間はもっと貴重だったように思います。
私は13歳のときに原因不明の病気になり、母と病院を転々としましたが、ネフローゼ腎炎という病気らしいことがわかり、その治療に詳しい病院に入院しました。この病気は一生治らないかもと先生から宣告され、未来が見えなくなってしまったのを覚えています。病室で私の心を慰めてくれたのが大好きな音楽でした。体がつらくても、音楽を聴いている間は心がほぐれました。明るい音楽ではなく、自分の心に寄り添ってくれる感じのするクラシック音楽を好んで聴いていました。 約1年病気と向き合った私は自分に自信をなくし、どこか人の目を気にして病弱な感じの中学生だったようです。病気のお蔭で中学1年を2回経験しました、いつも自分の本当の気持ちを言えない自分がいました。しかしその病気は私の人生に大きなギフトを与えてくれました。
母が連れて行ってくれた自然療法の道場で先生の話を聞くうちに、病気を治すのは先生ではなく、自分の中にある自然の力だと気付きました。病気を治そうと懸命になるよりも、音楽を聴くなど、心が喜ぶ時間を過ごし、病気を忘れるほうが結果として体がよくなる事も経験しました。自分の病気を治すことだけでなく、同じ痛みをかかえた人の体に手当でケアする事で生きる喜びが湧いてきました。
しかし自分は腎臓が悪いという心のキズは大人になっても消えませんでした。いつも無理をすると腎臓あたりが痛くなり、気分が悪くなっていました。定期的に熱が出たりしました。それでも、一生病気は治らないかもと言われた自分が、普通に会社に入り頑張って仕事ができている事に気づき、夜遅く会社のトイレの鏡に写った自分をみて感動し、一人泣きしたこともありました。
そして段々と病気という不調に見える症状は未来を健康にする為で、熱が出たり、気分が悪くなったりするのは、体内に蓄積している過去からの悪いものを外に排出するプロセスであると理解するようになりました。高熱が出ても、薬を飲まず病気が経過するのを待つと体から臭い汗も出ました。その匂いは中学時代に飲んだ薬の匂いでした。汗や痰がでる度に体が軽くなりました。体にどんな症状が表れても、水を飲み、中学時代に学んだ手当法を行い、体に感謝して静かに待ち何日かすると必ず前よりも体調がよくなっていきました。
30代半ば断食の道場に行き、1週間の断食を行いました。本断食の前後を入れると3週間のプログラムでした。そこは日常生活を行いながら、精神的な修行の研修を行っている道場でした。仕事をしながらできると友人に誘われ参加しました。断食の前に先生との面接で、腎臓が弱いことを話したところ、私をじっと見て、「悪くないですよ。大丈夫、腎臓が悪いというあなたの思いが残っているだけです。腎臓はもうよくなっています」と言われてしまいました。私には衝撃的な言葉でした。
自分の思いが現実を創造していることを体験したのはその時でした。その断食以降、腎臓が痛くなることは無くなり、体はさらに溌剌としてきました。断食中は、普通に会社に行き、運動をすることを進められ、よく泳ぎに行きました。体が軽く感じ、五感が敏感になり、集中力も高まりました。ゆっくり呼吸法を行い、体の様々な部分に丁寧に感謝の言葉をかけていると、人が生きる力は、食事に加えもう一つ別の糧があると思いました。食事を減らすとその別の糧が多く与えられる感じがしました。
音楽にもその糧が入っていると思いました。その糧は何だろうと考えるようになり、糧の沢山入っている音楽を探すようになりました。糧の入っていない音楽もありました。その糧は音の響き中に顕れてくる「透明感のある、とても新鮮な感じのする、何か」でした。生演奏にも録音された音楽にもその糧はあり、同じ作曲家の音楽でも演奏する人によってその糧は違って感じました。
「命を活かす糧の沢山入った音楽」をどうすれば制作できるか、それを模索するようになりました。それには先ず自分がその糧の源とつながる訓練をしなければと思い、本を読み呼吸法などさらに自分を磨く訓練も行いました。その糧は常に、私たち一人一人に流れ入ってきていると感じました。
その糧を多く受け取るコツは自分に表れてくる感情に意識がとらわれないことだと思いました。糧の入った音楽を集中して聴く事もその糧が入ってくると感じました。その感覚を磨く訓練のお蔭で、素晴らしい本物の方々との出会いもあり、今でもその糧とつながる訓練は続いています。

音の力を活かして人の心と体を元気にする仕事を始めて今年で20年になります。設立当初はヒーリングという言葉が使われていない時代でした。やすらぎの響き(ヒーリングバイブレーション)を社会に広める事を意図し、社名に頂き、その手段として音を使う事をミッションにして活動を開始しました。ヒーリングバイブレーションという名称は私が起業する直前まで勤務していた会社で、開発を担当した小型体感音響機器の製品に名づけた名前でした。
体感音響の発案は日本のロケット開発の父と呼ばれる糸川英夫博士です。チェロの演奏を趣味にしていた博士はチェロから体に感じる音響振動(ボーンコンダクション)を大切にし、その心地よい音の振動を電気的に再現する特殊なスピーカーを世に出す必要性を訴えていました。私の勤務をしていた会社がその装置の開発と研究を行っていました。
その体感音響は生命の糧の入った音楽を体に伝えるのにもってこいの道具でした。音響の振動が鍼灸の鍼のように、体内に伝達し体内環境を整える画期的な道具でした。中学時代から学んだ手当法と組み合わせると更に心地良さが倍増しました。しかしそう感じたのは私一人だったようで、周りの人にはその素晴らしさを伝える事が困難な時代でした。設立した会社は何度か倒産寸前まで陥りました。この製品の価値を理解してくれる人を探し求める中、ニューヨークの名医ミッチェル・ゲイナー博士との出会いがありました。ゲイナー博士の薦めで、音に秘められた可能性を社会に広める為、サウンドヒーリング協会を設立したのが2001年でした。その頃から活動の言葉としてサウンドヒーリングという名称をつけ、音で「やすらぎと活力」を得る事を啓蒙し、人を育み、心を平和にする新しい流れをつくろうと世界に向けて活動を開始しました。一人になっても活動は続けました。
今になってやっと、困難と見える事の裏には未来を拓くカギがあると分かりました。困難を超えるには「自分を信じる事」だと知りました。自分が経験するすべてに意味があり、無駄はないと思いました。
自分ひとりが生きているのでなく、自分が生まれる前に決めた人生を全うするよう、出会いのすべては自分が成長させるプログラムと分かりました。善や悪に見える出来事すべてに、未来をよくするヒントが隠されていて、自分の外側に起きることを通して、自分の中におきる感情を直視し、その意味を探り当て、自分を変革する勇気と意志を持つことの大切さが分かるようになりました。今まで、様々な役割をしてくれた多くの方々に心から感謝できるようになりました。

これからもサウンドヒーリングの活動は続いていきます。自分一人だった時代から、今では日本全国に米国にカナダにイギリスにも、自分を信じて自分の人生を切り開き、音でやすらぎと活力を提供する「ミッション」を同じくする、素晴らしい仲間が増えました。
会社は3年前「喜びを創造する」を意図し、名称を「ジョイファンデーション」に変更しました。
喜びの田んぼです。日野原重明先生が講演で「命は自分に残された時間、子どもは時間を自分のために使い、自分の時間を人の為に使うのが大人」と話されていたのが印象的でした。自分の時間を人の為に使い、私はこれからも私の「ウエルビーイングライフ」を創造していきたいと思います。Well-Beingな人生の創造、一緒にやりましょう。

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