協会誌 vol.37-38より

自分を信じる時代自分の未来を健康的に創造しませんか。
サウンドヒーリング協会理事長 喜田 圭一郎

皆様、いつもありがとうございます。
サウンドヒーリング協会は音の振動する原理を生かして、人々が健やかに生きるための活動を行っています。音の理論、具体的な実技法、精神性を高めることを学ぶ研修会の定期開催を続けてきました。日本で開催する研修会は次回ファシリテータ資格認定研修会(初級)で83期(6月)、セラピスト資格認定研修会(中級)は39期(10月)を迎えます。上級のウエルビーイングクリエイターはその名の通りWell-Being(幸福で健康な状態)に人生を創造する人づくりとして次回は4期を予定しています。研修会は音の治療法を学ぶことが目的ではなく、自分を信じ、人に眠る自発的な回復力を高める方法を学び、豊かな心で生きることを通して社会に貢献する人材づくりを目的にしています。

研修を受講し、課外実習と呼ばれる課題をご自宅で実践し、生活の中に音を生かす「サウンドヒーリングの健康法」を続けている方々は、皆さま笑顔が素敵になり、問題と見える出来事が起きても、心を安定させ、自発的に人生を切り開いておられます。精神のあり方が自分の健康や人生の未来に影響を与えることを学び、日々の出来事を通して自ら気づき、人生そのものがよき研修になっていると思います。
この研修を受講された方々や理事、アドバイザリーの方々には医療に従事する方もおられます。その方々から、時々お聞きするのは、コロナが安定してきても「病院に来院する人が多い」という話です。来院されなくても、ご自宅で静かに療養すれば、自然に治る軽度の症状の方も、受診されるケースが増えているともお聞きします。
日本は1961年に国民皆保険を達成し、国民の全員が公的医療保険に加入し、全員が保険料を支払うことで、いざというときにお互いの負担を軽減する制度が充実しています。そのおかげで、誰でも自由に選択し、どの病院にも負担少なく受診できるようになっています。しかし米国ほか海外では状況は違っています。今、日本は他の先進国と同様に高齢化が進み医療制度のあり方について、様々な議論がなされています。65歳以上の人(高齢者?)が2021年に人口の29%を占め、今後、人口の高齢化が世界一進む日本では医療の効率化を進めることが不可欠とされています。
2001年当時の日本の医療費は31.9兆、国家予算(82.6兆円)の約39%を占めていました。20年を経た2021年の医療費は45.4兆円、国家予算(106.6兆円)の約43%に増え、毎年、毎年増加している状況です。厚生労働省の見通しでは2030年には62兆円(対GDP比8.9%)になると予想されています。国や公の人、専門家に任せるだけでなく、私たち国民の一人一人が自分の問題として未来のためにどうする事が賢明か、そして病気にならない為に何が大切かを問い、自分で実践するときだと思います。

サウンドヒーリング協会に関係する医療従事者の方々は米国やヨーロッパにもおられます。
オンラインで意見交換し、毎年、力を合わせて研修会の開催やHolisticクルーズに参加し、その折に日本との違いを感じていました。日本の医療の特徴や他の国との違いなど参考と資料を大まかに調べ、以下箇条書きにしてみました。何かヒントが得られるかもしれません。
(資料:OECD Health Statistics 2023、図表でみる医療2023:日本/OECD、医療の国際数量比較/ ニッセイ基礎研究所)

上記のデータを見て感じたことを平たく述べてみます。日本はみんなで稼いだお金(GDP)の約11%を病気の治療に費やし、医療費の個人の負担は少なく抑えられている。その分、国や公的機関の負担が多い。一人当たりの医療費は米国の半分。
日本人の平均寿命は長く、世界トップクラスの良質な医療サービスが受けられる。そのことを約8割の人が満足しているにも関わらず、自分の健康状態が悪いと思っている人の割合が多く(7人に一人)、健康状況が良いと思っている人の割合も低い(3人に一人)。医師の数は少なく、看護師数は他国並みで、薬剤師が多く調剤が医療の大きな役割になっている。CT、MRI他など医療機器は充実し、フランスの4.5倍の数。病院の受診回数が多く(平均毎月1回、米国の約5倍)、病床数が多く米国の約4.5倍のベッドが用意されている。入院すると平均28日滞在し、平均在院日数が長く、医療費の負担を大きくしている要因の一つになっている。

日本人の国民性もあると思いますが、皆で公的医療保険を負担し合い、良質の医療が安価で受けられているにも関わらず、病気になる人が減らず、おまけに健康だと感じている人が少ないのは、とても残念に思いませんか。
米国アリゾナ州の高級住宅地スコッツデールにMind Body Medicine Centerを設立した医師ロナルド・ピーターズ博士(サウンドヒーリング協会アドバイザリー)は「フレミングがペニシリンを発見(1928)して、現代の薬によるメディカルモデルが始まった。
薬や手術による治療は感染症とケガなど緊急時には向いているが、現代の多くの病気は生活スタイルからくる文明病(慢性の疾患)。病気の症状を薬で抑えるだけでは根本的に治らない。病気を予防し根本から治す為には自分の生活を一から見直す必要がある」とし、4つのポイントを説明しています。 1毎日の食事 2体を動かす 3環境・食物から体内に蓄積される化学物質や重金属のデトックス 4ストレス(自身の心の状態で軽減できる)。私はこれに5呼吸法 6肯定的な言葉 7 音(自然音、体感音響)を加えて毎日実験しています。そのお陰か30年以上、病院のお世話にならずにいます。(感染症に対する薬物による治療は菌に耐性を与え、より強い菌を生んでいることを認識し、自分自身の免疫を強める生活スタイルが必要と述べています。)

世界的ベストセラーになった名著「癒す心・治る力」の著者、医師のアンドルー・ワイル博士は人間の体(物質)には「治る力」が備わっている、その治る力を発揮するカギは心の在り方(非物質・信念Belief system)が握っているとし、ウエルビーイングな心の状態の大切さを述べています。昔から言われる「病老貧苦」を心配する心とは正反対な「自分を信じる心のあり方」と言えるでしょう。そして心の力を体に及ぼそうとするには秘訣がある、「病気を心配し、病気を嫌なものと捉える否定的な考えと戦わない」と述べています。否定的な考えを打ち消そうとするのではなく、肯定的な考え(体は整っている等)に意識を注ぎ、そのことに集中することで、否定的な考えは自然に消えていくと説明しています。体を心配するのではなく体がうまく働いていると心でイメージすることが大切と述べています。ひょっとして日本人の健康状態がよくないという心の在り方が病気を治りにくくしているのでしょうか。

スウェーデンの「オキシトシン」研究の第一人者シャスティン・ウヴネース・モベリ博士は私たちの体には「幸せな心をもたし、体に回復をもたらす仕組み」がひそんでいる、自分の心の在り方、人との絆で変化する物質「オキシトシン」が重要な鍵をにぎっていると述べています。今、世界中で注目を集めている「オキシトシン」を、生活の中で高める習慣(おもやり、心と心を触れ合う、肯定的な心に意識を向けるなど)を身に付け、体内の仕組みを自分で活性化すれば、心が常に穏やで、健やかな体が自ずと創造されていくのではないでしょうか。
私の父は一昨年3月11日、東日本大震災の発生時刻に合わせるかのように95歳で静かに天寿を全うしました。50代のころに一度亡くなり、病院で生きを吹きかえして臨死体験?をしたせいか、時々面白いことを言っていました。ワインが好きで、一杯飲むと口癖のように「これから新しい時代がくるよ。朝になれば太陽が昇り、春になれば新芽がでるように時代が大きく変わる」と言っていました。そして「この世のものはあの世に何も持ってゆけないように、権力やお金など、何の役にもたたなくなる。人を喜ばせた心だけが、新しい時代に持っていける」と。その言葉通りか、父は穏やかな顔で、お世話になった親戚や近所の方々に見送られて旅立ちました。その時、ふと思ったのは「健康になることは人生の目的ではない。でも人を喜ばせる心の習慣は自分の命を全うし、一生を健やかなに生きるコツ」かもしれないと。
サウンドヒーリング協会は自分自身に革命を起こし、人と触れ合う3つの方法「1自然音、2体感音響、3呼吸と声」をこれからも広めていきます。自分に眠る尊い「回復力・生命力」を発揮し、年を重ねても、可能な限り医療に依存せずに、自立した生き方の実験をご一緒にやりませんか。

協会誌vol.37-38

サウンドヒーリング協会の協会誌2024年版(vol.37-38)が発行されました。

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